2011年5月8日日曜日

突然の『浜岡原発全面停止』考

M8.0程度の東海沖地震が30年以内に来る確率が87%なので、浜岡原発を全面停止し、
2,3年後までに防潮堤を建設し、発電を再開する、とのこと。これに対する評価が
分かれている。

誰が見ても、
1.東海沖地震は起きる確率が高い、
2.それにより、福島並みの津波被害にあったら静岡県および関東への
放射能及び産業への影響は甚大である、
ことは、あきらかである。

だから、止める。そして、それを首相が『英断』し、突然発表する。
それは、多くの国民に大変わかりやすく、政治主導により、『とても良い』決断を
したと評価される可能性がある。

こんなに、単純に物事が政府により決められてよいのだろうか?
浜岡原発の1,2号機の停止、廃炉、3号機の停止が決定され、今後の
対応を検討している中で、なぜ議論せず、英断する、必要があったのだろうか?

私には、政治パフォーマンスに見えて仕方がない。すぐに東海沖地震が起きて、
4,5号機が停止していれば、この『英断』は素晴らしい先見の明、と評価されるだろう。

この結論は正しいのかもしれないが、どうも
1.論理が分かりやす過ぎて怪しい
2.支持率の低下、菅おろしの動きに対抗したい
3.当事者、関係者と議論しない必然性がない
4.止めることでの産業、生活への影響が熟慮された形跡・説明がない
などから、とても怪しい動き、と私は、考え、断固NEGATIVEな意見を持っている。

内閣の信頼が低いと、すべての動きに信頼を置けなくなる。残念なことだ。

(以下、引用)
浜岡原発、全面停止へ 保安院「2年程度」
首相、中電に要請

 菅直人首相は6日夜、緊急に記者会見し、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)にある全ての原子炉の運転を停止するよう中部電力に要請したと発表した。大規模な東海地震の発生が予測される中、重大事故が発生した場合の悪影響を未然に回避する必要があると判断した。政府は浜岡原発以外の他の原発については停止要請をしない方針だ。

「浜岡原発の全原子炉運転停止を中部電力に要請した」と述べる菅首相(6日夜、首相官邸)
 浜岡原発の1、2号機は運転を停止し、廃炉も決定済み。3号機は定期検査中で、中部電は7月にも運転を再開する可能性を示していた。残る4、5号機は稼働中だ。中部電の原発は浜岡1カ所だけ。発電電力量に占める原発の比率は2010年度実績で15%となっている。

 原子力安全・保安院は浜岡原発の停止期間について「防潮堤の建設など中長期の津波対策が終わるまで」と言明した。中部電の計画では2~3年としているが、保安院は「2年程度でできる」と指摘した。

 首相は停止要請の背景に関して「30年以内にマグニチュード(M)8程度想定の東海地震が発生する可能性は87%と極めて切迫している」と訴えた。浜岡原発は「東海地震に十分耐えられる防潮堤の設置など、中長期の対策を確実に実施することが必要だ」と語った。

 首相は「浜岡原発で重大な事故が発生した場合の甚大な影響も考慮した」と述べた。同時に「中部電管内の電力需給バランスに大きな支障が生じないよう最大限の対策を講じる」と強調した。

 首相は中部電への停止要請は「指示や命令という形は現在の法律、制度では決まっていない」と、中部電に求める以外に方法はなかったと説明した。そのうえで「理解してもらえるように説得していきたい」と語った。

 海江田万里経済産業相は浜岡原発だけを停止対象にした理由を「地震発生の可能性が他の発電所に比べ圧倒的に高い」と力説した。「防潮堤や原子炉建屋の(密閉度を高めて水の浸入を防ぐ)水密化工事などが完成するまでは停止するのはやむを得ない」と理解を求めた。関西電力に電力融通の支援を依頼したとして「計画停電などの事態には至らない」との認識を示した。

 中部電は6日夜、「経産相から午後7時に浜岡原子力発電所の運転停止に関する要請を受けた。当社としては要請内容について迅速に検討する」との水野明久社長のコメントを発表した。

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